生物班は、未だ不明な部分が多いCO駆動型微生物の知見を拡充し、COが駆動する始原的生命代謝に迫る。酸素に満ちた現在の地球においてCO環境は例外的であるため、微生物によるCO代謝に関する我々の理解は未熟である。本計画研究では、現在の地球環境に残る古環境アナログで、酸化還元度の異なる2つの極限CO環境「非生物由来のCH4とCOが共存する超還元蛇紋岩水系」および「CO2とCOが共存する深海の液体CO2プール環境」でフィールド調査を行う。それらのオミックス解析、新規CO代謝微生物の分離培養・代謝解析、進化学的解析を行うことで、CO駆動型生命のエネルギー代謝、炭素固定、生体分子合成に至る過程の多様性を提示するとともに、COが駆動する微生物代謝の成因・特性・環境制約を体系的に明らかにする。これらの知見に基づき、CO環境と生命の接点となる酵素・経路を同定し、合成生物学的手法・生化学的手法を用いて創出・解析し、その特性を明らかにする。これらを統合し、CO環境における生物-環境相互作用の実態を明らかにするとともに、いかなるCO環境でどういった原始的生命代謝が進行したかを提示する。
メンバー
鈴木 志野(代表) 宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所・准教授
加藤 創一郎 産業技術総合研究所・生命工学領域・主任研究員
清水 義宏 理化学研究所・生命機能科学研究センター・チームリーダー
石井 俊一 海洋研究開発機構・超先鋭研究開発部門・副主任研究員
福山 宥斗 海洋研究開発機構・海洋機能利用部門・PD研究員
網蔵 和晃 宇宙航空研究開発機構・宇宙科学研究所・招聘研究員
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